シャンゼリゼ通りへ

 体格の良すぎる彼女の案内で、地下鉄に乗り、先ずはシャンゼリゼ通りへ向かった。
 ゆっくりと散歩気分で行くのだが、身体の大きな彼女が歩くのには大変だろうと心配になった。しかし「いつも歩きなれているから心配ない」と身体を左右に少しゆすりながら細身の私を案内してくれた。

 シャンゼリゼ通りに沿った歩道には、テント張りのテラス式レストランが沢山並んでいたが、これらの店は観光客相手の店で料金が高いので、自分たちは別の大型大衆レストランで食事をするのだと教えてくれた。

 シャンゼリゼ通りの入口は実に大きい。中央分離帯がある広い車道が真っ直ぐに伸びていた。
 天井のない2階建ての観光バスが幾種類も走っていた。車道の両側には有名店の本社であろう、ユニークな建物が並んでいた。
 金色に装飾されたビルの前庭には、ドクロの造り物が置かれていたが、その理由は全く分からなかった。

 地下鉄への入口は昔造られたままだという。約2000m、どこまで続くかと思われるマロニエプラタナスの並木は有名だが、通りに沿った敷地のところどころに設けられた花壇も、なかなかのものだった。