待っている多くの入場者

 ルーブル美術館が休館日なので、エッフェル塔の下には、団体の観光バスが何台も来ていたし、何時間待ちになるのか想像もつかないほどの人影が溢れていた。
 幸いにエッフェル塔の真下は、日陰になっていて、今日の暑さから避けることが出来ていた。他の名所も、入場待ちの大勢の人の列ができていて、観光バスを利用して良かったと、我ながら思った。

 この観光バスは、走るルートの停留所であれば、どこで下車しても良い。そして、走るルートのどの停留所からも、再度乗り込むことができるシステムになっていた。

 私が利用した観光バスの他に2種類の観光バスが走っていて、そのルートは少しずつ違っているようだった。どのルートが一番良いのか私は全く知らない。右端の座席で、ひと回りすると、今度は一番左端の座席に移って、再度1周することにした。

 つまりあと2時間乗車し合計で4時間、この観光バスの上に座っていたことになる。太陽の日差しが強い一日だったが、それでも十二分に楽しむことが出来た。シャンゼリゼ通りの道筋に、絵画をずらり並べて売っている場所があり、芸術の街の様子を感じさせてくれた。
 有名なオペラ座の近くに来ると、更にゆっくりとバスは走った。観光バスの上から身を乗り出すようにして、皆はカメラのシャッターを押した。
 日本にいてテレビで見るものより遥かに素晴らしい建物に、改めて凄さを感じた。

 観光バスが一巡して戻ったのは凱旋門の近くだった。勿論何人もの観光客がお互いにカメラを撮っていた。太陽も少し西側に傾いたのか日差しはやや弱くなった。
 日本と違って湿度が少ないので、汗でぬれたシャツは、しばらくすると身体の温かさで乾いてしまっていた。