散歩とパリの夜の街

 街角を曲がって少し狭い道に入ると、とても素敵な水のみ場があった。道行く人たちは足を止めて備え付けのコップで冷たい水を飲んでいた。私たち三人も代わる代わる水を飲んだ。
 暑い8月中旬の、この有名なパリの街で、も涼をとるための湧き水が飲めるとは、団体のツアー旅行では絶対に体験できないことを、また知らされた。

 緑の樹木が沢山植えられていた大きな公園の木陰には、三々五々とベンチにも、或いは芝生の上に憩う人々がいた。
 公園の近くには立派な建物が堂々と建っていた。公園の敷地も広々としていて、家族連れも来ているし、なんといってもヨーロッパの午後7時は、まだまだ明るかった。

 その後、夕暮れの街へ出て、来た時と別の場所を散歩した。パリでは日本レストランが何軒もあるそうで、寿司もレストランで食べられるそうだ。かなり人気もあるようだか、値段が高いということだった。それで寿司専門のレストランには、そう度々は行けないとの話だった。

 日本食はとても好評で、何と言っても珍しさもあるが、食感が好まれていた。刺身は勿論のこと鉄火巻き、どんぶり物、味噌汁、魚の煮付け等など。
 パリのエス会事務所で出会ったオランダ出身の男性は、初めてワサビを食べたとき、盛られた「ひと山」を口に含んで、噛みほぐしたそうだ。その辛さに驚いたぐらいではなくて、息が詰まりそうな状態で、眼から涙が溢れ出たと、話してくれた。