なれない洗濯機

 明日は一日この部屋にいない。早速洗えるシャツやパンツや靴下などを全て洗濯することにした。学生宿泊所なので洗濯場は地下にあり、フロントで地下室のカギを借りなければならない。

 結構広い場所に3台の自動洗濯機が置かれていた。勿論のこと洗濯機に書かれた文字も、説明書代わりのカードも、多分ハンガリー語なのだろう。英語でないことは私にも分かった。ところが3台のうち2台は、スイッチの入れ方がよく分からない。いろいろいじっていたら一台のみ何とか動きそうなので使うことにした。

 ところが最後の工程の乾燥方法が分からない。日本の自宅で使用している洗濯機には乾燥機能は付いていないのだから無理もない。とにかく洗わなければならない。洗剤は近くに置いてあった小箱から、少しいただくことにした。動かした後で、カギをフロントへ返した。私の身振り手振りによるエスペラント語と受付員の英単語と互角の勝負だった。

 1時間ほど経って洗濯場へ行き、天井に張られた紐と、スタンド式の干し道具を使って衣服をぶら下げた。またカギを返して部屋に戻ったが、この部屋の中の方が早く乾燥すると思い、2時間ぼと経ってから、洗濯物を全て自分の部屋に持ち込んだ。

 日本から持ってきたビニール製のロープを、部屋の隅に天井から床へ設置されていた暖房用のパイプと、タンスの扉との間に、二重(往復)にピンと張り、全ての衣服をぶら下げた。この方法はバレンシア(スペイン)のエスペラント会事務所と同じやり方だった。