家具博物館

 Lさんとミッキー叔父さんは、早朝から一緒に例の車で仕事へ出かけて行った。昨晩この事をLさんから私は聞いていたので、朝食の時に二人に別れの挨拶をした。
 9時過ぎに、Lさんから夫のZ氏に電話のアドバイスがあり、Z氏と私は別の車で近くを観光し、今日(18日)から受け入れてくれるブタペスト駅の反対地域に住んでいる、S氏の家へ向かう手はずとなっていた。Z氏がS氏と電話で話し、12時頃訪問することになった。

 私たち二人が出かけたのは家具の博物館だった。10時少し前で開館していなかった。中世時代に、この地の王族が諸外国から集めた家具で、全て豪華で貴重なものばかりだった。Z氏はエス語を話さないが英語を喋れるようだった。博物館員と話をしながら部屋を観て廻った。

 展示物の紹介資料はラミネートでコーティングされていて、展示部屋の入口に数枚置かれていた。その部屋を出るときに係員に戻すシステムとなっていた。勿論内部の写真撮影は許可されていない。博物館自体が豪華な邸宅だったらしく、幅広い石造りの階段が物語っていた。螺鈿細工の入ったテーブルや食器棚も多く、日本で言うならば民芸調といった感じの、重厚な家具がどの部屋にも満ち溢れていた。

 博物館を出てZ氏の住んでいるビラ町の役場を訪問し、彼の友人の手助けで、会議場などを自由に見て廻ることもできた。

 その後S氏の家に向かう途中の小高い場所で、キリスト教徒の小さな墓を観た。そこから見下ろすとブタペストの街の一部が広がっているのが見え、ドナウ川の流れも観ることができた。