帰りのバス

 ブタペスト駅行きのバスが来たので乗り込んだ。駅に着くと、新しい電車路線を造るのだろう、レールを敷き詰める大掛かりな工事が駅前で行なわれていた。近くの古い建物を観て廻った。

 今朝ミッキー叔父さんに教えてもらったバス停で、目指す路線バスの番号を確認した。バスを待っていた人に、Lさんに書いてもらったメモを見せ、降車バス停の文字を指差して、このバス停で良いのかと尋ねると、貼られている時刻表を調べながら、ここで良いと教えてくれた。

 やがてバスが来て、運転士席近くの乗り口から入り、中央部の出来るだけ出口に近い席に座った。昨晩車で3人帰宅するとき渡ったドナウ川に掛かった大きな橋の上をバスが走ったのでひと安心、あとは降車バス停を間違えないことだ。前の席の乗客にメモを見せると、後3つ目だと指を立てて教えてくれた。

 降りるときにドア近くのボタンを押して運転士へ知らせる。降車は次なのでドアへ近づいたが、同じバス停で降りる客が運転士近くのボタンを押した。それで私はボタンを押さなかった。ところが私の前のドアは開かず、ボタンを慌てて押したがバスは発車してしまった。仕方がないので次のバス停で降りてひと駅戻ることとなった。
 ひと駅間の距離は結構長かったが、高い街路樹の薄緑色の小さな花が風に吹かれて道路に絨緞のように敷き詰められていた。

 これまでも旅の途中でゴミ収集について興味を抱き、ゴミ箱の写真を撮ってきたが、ここでも面白い写真を撮った。
 色分けされたボックスが幾つもあったので、この地域の分別システムが機能しているのだと感じた。