パレリアのご馳走

 太陽の輝く中を午前中3時間ほどの散歩を終えて、R氏と私はタクシーでA氏の家に向かった。R氏の話では、お客が来ると大きな鉄板でパエリア料理して食べさせるのが、A氏のいつものモテナシだそうだ。一緒に食事をしないのかとR氏に訊いたが、別に用事があるからというので遠慮した。私は心からお礼を述べて別れた。

 A氏の家は豪華な建物だった。部屋も広い。居間には大型のテレビがあり彼の母親が観ていた。挨拶をしてソファーに座り少し休憩した。母親が何か話しかけたが、スペイン語なので勿論私には分からない。立ち上がってキッチンへ行き、コップに入れた冷たいジュースを持ってきてくれた。

 間もなく自慢のパエリアが出来上がりテーブルに着いた。大きなフライパンは直径が60cm程もある。それに料理が一杯満たされていた。ビールを少し飲みながら食事した。味は私にとって少し辛く感じたが、とても美味しかった。

 あと1週間ほど滞在しないかと誘われたが、次の受入者が私を待っているから、と言って丁重に断った。何でも数日後(7月4日)から、バレンシア地方のエスペラント大会が開催されるのだと説明してくれた。昨年の参加者は400人位集まったと聞いて、心底驚かされた。ここのエス会の会長には昨日会ったし、A氏は事務局長をつとめていた。