湿布薬を買いに薬局へ

 マドリード駅には列車は遅れることなく着いた。今朝小さな町イルンで、少々急いで駅まで歩いたので右脚に軽い痙攣が残っている。列車の中でマッサージをしたが、座席に坐っているときは、なんともない。

 マドリード駅に着くと駅構内を見廻した。どこの駅にも薬局があるはずだ。すると片隅にアポテーコ(薬局)の看板が見えた。医師の処方箋が無いと容易に薬を買えないと聞いていたので、ズボンの裾をめくり、シップ薬を貼った右脚を出して、このような薬はないかと訊ねたが、残念ながら無いと云う。

 それでは筋肉痛用のクリームは無いかと訊ねるが全く通じない。勿論私が日本語とエス語しか話せず、英語で筋肉痛などという単語を知るわけが無い。右腕を左手でさすりながら「スポーツ・クリーム」と云うと、客の若者が何か店員に話しかけて仲介してくれた。やがてシール式の貼り薬を出してきた。外箱に描かれた足の絵を見ると、少しは役に立ちそうなので2箱買った。