ロッテルダム(オランダ)からブリュッセル(ベルギー)へ

 列車は定刻に発車し約2時間の旅が始まった。橋の上から眺めるロッテルダムの河岸の商館は、やはり記憶に残るものだった。
 かって多くの船が頻繁にこの運河を利用してアムステルダムや他の都市と行き来していたのだろう。この街も新しく生まれ変わろうしていた。

 ブリュッセル市(ベルギー)までの列車の旅も、アムステルダムからロッテルダムへ来た列車の旅に良く似ていた。牧草地か何か穀物栽培のための土地だろうが、広い荒野が長い時間続いた。時々は放牧されている乳牛の群れも、窓から眺める私を楽しませてくれた。

 停車した駅の近くには、古い建物がずらりと並んだ場所が見受けられた。勿論所々に新しいビルも見えるのだが、まだ古い建物の方が多かった。複雑な形の家々は生活している人々の匂いを感じさせた。数世紀前はモダンな建物だったのかも知れない。