UEAで雑談

 幸い私たちのほかに来客はなかった。最初に図書販売管理をしているY氏に挨拶に行った。彼とは一週間ほど前にビドゴシチ市(ポーランド)のJ氏の印刷所で会っていたのだ。彼は忙しそうに仕事をしていた。

 UEAにはボランティアで働いている人が沢山いる。休憩室でコーヒーでも飲まないかと誘われて、部屋に入ると数人のエスペランチストが雑談をしたり、コーヒーを飲んだりしていた。
 ひとりの若者がパンと牛乳を持って来て食べ始めた。時間は10時半を過ぎていたので、それは朝食か昼食かと訊ねたら、その中間だと言ったので、私も皆も笑った。

 もちろん簡単に自己紹介をして、私の今回の長い旅行の話をした。といっても訪ねた国と街と、何人かの名前の情報だ。4っつの鍵のホテルや、UKでの写真ドキュメント「被爆者」の無料配布や、印象に残った事も幾つか話した。
 部屋の壁には、最近の世界大会が開催された時の大きなポスターが張られていたので、記念に写真を撮った。

 会計担当者の部屋へ行き、一緒にエス語−フランス語のポケット版辞書を作成を支援している、ローメ市(トーゴ)のG氏へ100ユーロの寄付をし、ジョジャカルタ市(インドネシア)のH氏へ50ユーロの寄付をした。これは協力して活動している中での約束だった。

 直接本人へ送金するのではなくて、私のUEA口座から相手のUEA口座へ振り込んでもらうのだ。日本からUEAの口座へ振り込むだけでも2500円の手数料がかかるのに対して、こうすると手数料が殆どかからず、お互いに都合のよいシステムでもある。

 最後に図書室へ行き、私の誕生年より前の発行図書を探して、記念に買った。またアムステルダムのEちゃんに絵本を、彼女の母親にポケット版のエスペラント語学習書を買って、送料を渡してS氏に発送してもらうことにした。