遠出の訓練

 2ヵ月間の海外旅行のため、2リットル入りペットボトル3本に水を入れ、ハイキング用のリュックに入れ、自宅から約8Km離れた福岡空港まで歩く練習を、数回しか行なえなかった。

 15年前のわずか10日間ほどのひとり旅のときは10数回行ったのに比べれば、今回の練習回数はあまりにも少なすぎた。朝と夕方の2回、約1時間の散歩も毎日できなかった。このことが最大の障害となった。多少の不安を抱えながら出発することとなった。

 新しく購入した旅行カバンに一杯詰めた重量は20kg。これを片手で抱えて、パリの地下鉄の階段を昇降するのは、想像をはるかに超えて大変だった。
 灯油ストーブを使用している人は、直ぐに想像できるはずだ。例の20リットル入れられるポリ缶に灯油を一杯入れて、100メートルほどの距離を、歩くのと同じである。その間に階段がある。その階段が、足の長い外国人向けのもので段差がかなり高い。おまけに古い歴史の地下道は、迷路のように曲がりくねっている。

 旅の途中では当然ながら、旅から戻ってさえも、つくづく準備のトレーニング不足を後悔した。