H氏の料理

 観光は明日行くことにして、今日はゆっくり休養することができた。彼は食事を自ら作ってくれた。いつも料理得意の彼が作るのだそうだ。野菜サラダに使う野菜は庭園にで育てた物も入っていた。

 勿論ワインを飲み、彼はウィスキーも飲んだ。奥さんと3人で1階の芝生の庭に置かれた白いテーブルの上に並べた料理は、とても美味しかった。

 時間を忘れて雑談し、私が働いていた仕事や、日本の文化や政治や経済など話は尽きなかった。
 彼は日本の歴史にも詳しく、歴代の総理大臣の名前も知っていて、その業績についても質問された。
 例えば、佐藤栄作はどんな理由でノーベル平和賞を貰ったのかなど、突っ込んだ質問に、私はタジタジだった。

 有機農業に興味を持ち、「福岡」といえば、福岡正信のことも知っていて、その著書も持っていた。
 私も福岡正信の本を読んだ感想を述べたが、「無耕作」という福岡正信の思想については、十分理解されているように思えなかった。
 「有機農業」と言うのが、よく知られたテーマだった。地名の「福岡」は知らないが、福岡正信の名前は、ここでも知られていた。

 2階の広いひと部屋を私に使わせてくれ、シャワーも使って、ベッドに横になった。