歩行者優先の車道と郵便配達員
車道を渡るために設けられた歩行者横断用のシマ柄表示は、どこの国でも見かけた。
しかし住宅街に入ると、その車道は平たんではなかった。つまり車道が波打って作られていて、その場所に来ると必ず速度を落とさないと、車の振動が大き過ぎて、スムーズに走れない仕組みになっていた。
さすが人間優先の国だと感心した。日本でも採用できないだろうか。
自転車に荷物を入れた普段着の若い女性がいた。よく見ると荷物はどうも郵便物のようだ。彼女は、ロープで岸に繋がれている大きな船に近付いて、ポールの郵便受けに封筒を入れた。
「郵便配達員ですか」と訊ねたら「そうです」と笑顔で答えた。
後で家に戻ってこの事をきいたら、彼女はアルバイトをしているのだと教えてくれた。