素晴らしい彼のギターと歌

 ワーテルロー記念広場から帰ると、彼が歌を歌おうと私を広間に呼んだ。勿論奥さんも一緒だ。ラテンリズムの曲を彼はプロ歌手のように演奏しながら歌って聞かせてくれた。
 私に何か歌えと要望がでたが、殆ど歌うことなく過ごしている私は、歌詞を直ぐに思い出せない。
 彼が、「そうだ、国家を歌え」と言い出した。仕方がないので歌う事にしたが、座ってたままでは声が出そうにない。立ち上がって深呼吸をして歌ったら、いい声だとほめてくれた。もう一曲歌う羽目になり、外国人にも知られている「さくらさくら」を歌った。

 彼は他にも数曲歌ってくれたが、声の響きといい、抑揚の付け方といい、やはり只者ではなかった。ビドゴシチ(ポーランド)で歓迎会をしてくれた時に、このメロディーを日本人も良く知っているだろうと言われて、「森のくまさん」の日本語歌詞を少しだけ歌ったのが、この旅行での経験だった。